こんにちは。
参謀育成コンサルタントの福島清隆です。
本日のテーマは「限界突破集落」です。
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地方を捨てる必要などない
「限界突破集落」
「技術」 バイオを活用したインフラ
ドローンや自動運転
「女性の力」
寿命の延びと地方再生の核
「グローバル化」
IT技術の革新で世界へ
日経ビジネス2017.05.01
(P42 ~ P47)
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もう10年近く前のことだと思います。
ある大企業の実力会長が講演でおっしゃってました
「日本は先進国で(一番だったか?)
「都市化が遅れている」 と。
都市化を進めれば、過疎地での無駄な公共費用や
開発も回避できて、強靭な国家創りが可能となる」
なるほど、自分の感覚にないことを言われると、
とりあえず「納得」してしまう我が「長所」か
「短所」か分かりませんが (苦笑)
日本国内から過疎地がなくなり、大都市とばかり
とは言いませんが、そこそこの規模の都市が、
社会基盤上、効率よく配置されてあったら。
社会を運営する諸々の「コスト」は随分、削減、
改善されるのだろう。
が、しかし、そんなことを本気で考えてたら、
「政治家はまず、選挙で受からない、落選する
んだろうな・・・・・」
「日本全国から過疎地を完全に無くしてしまおう」
声高にそんなことを言う政治家が出てくることは
まずないのでは?
決してそれを望んでるわけではありません。
ただ仮説として2050年の日本の人口を1億人と
予想して、33年間で3000万人の人口が減少すると
仮定した場合。
3000万人÷33年÷12か月=約76000人
ざっくり言って、
毎月76000人の都市が消失していくのかぁ~
実際にはそんな減り方はしないでしょうけど。
今回のテーマはそういうことではありません。
もっともっと小さな「町」、「村」でも生き残っ
ていけるという話です。
(その是非は別問題で後述します)
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PART1 「技術」で限界を超える
日本最北の有人島、北海道礼文島内にある
宇遠内(うえんない)地区。
住民は約50年前の最盛期でも十数世帯。
現在は3世帯9人。
(人口の半数以上を65歳以上を占めることが
「限界」の基準。
全国に15000以ある)
約2年前に、川村桂太氏(29)、野愛(28)夫婦
が里帰り。1年前に娘の奏愛ちゃんが誕生。
高齢化率は9人中3人、33.3%まで低下。
工夫次第で普通に暮らせるので川村夫婦は
島に戻った。
最大の課題が下水処理。
「バイオトイレ」で解決に向かう。
商品名「バイオラックス」を全国の限界集落
に普及させて地方創生に貢献したい。
( 正和電工 橘社長 )
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瀬戸内海に浮かぶ男木島
四国の玄関口、高松港の沖7.5kmにある周囲
4.7kmの小さな島。
人口162名に占める65歳以上の比率は68.5%。
「海上空中物流ルートを作る」
島側と高松側に専用の離着率スペースを設置
約3kgまでの荷物を搭載する大型ドローンを
往復させる構想。
高松から島まで時速100kmで走行し約5分で
島に到着。
ドローンなら濃霧でもGPSを使って24時間
何度でも輸送が可能。
男木島では、空き家率が約7割。
約200戸の古民家をIT企業のサテライト
オフィスや芸術家の工房にできないか?
人が増えれば、島内を自動運転機能が
付いた台車を走り回らせる計画
( かもめや 小野正人社長 )
ドローンでの物資運搬や陸上の自動運転は
都会では法規制他で困難だが、限界集落で
進む「技術による限界突破」の試みが
次世代技術の実用化を促進する可能性が
ある。
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PART2 「女性の力」で限界を超える
宮崎県美郷町上渡川地区。
日本で最も訪問しにくい場所の一つ。
自家用車やタクシーでしか行けない。
人口369人のうち、65歳以上が55.8%。
離島より高齢化率は低いが人口構成のボリューム
ゾーンが80歳代。
上渡川で長年暮らしてきた平均年齢70歳の5人の
女性が「渡川マンマ」という組織を設立。
高齢者宅60世帯へ弁当を日々配達。
資金が早晩行き詰る。だったら大きな組織を作っ
ちゃえ。できることは全部やっちゃえとなった。
宮崎県に出向き、補助金を申請し、約25年間閉鎖
されていた野菜の加工場を大調理場に改装。
近隣の過疎集落への外販も始めた。
弁当以外に菓子なども製造し販売。
古民家カフェの運営や宮崎市内での弁当の出張
販売にも乗りだす。
”ずぶの素人”が始めた地域活性化策が軌道に
乗りつつあるのは女性の力によるところが大きい。
女性は「我慢強さ」、「コミュニケーション」、
「大胆さ」の3点で男性より優れていることが
定説になっている。
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京都市美山町板橋地区
1000年以上前から若狭と京の都を結ぶ鯖(さば)
街道が通り、旅の要衝として栄えた同地区。
現在では人口減少が急速に進行。
京都市内から車で1時間30分以上。最寄りの
コンビニからも17km離れた過疎の村。
出産したばかりの28歳の中島琴美社長が
「板橋食堂」という会社を立ち上げ、地元に
自生するユズを加工しジャムやゆずこしょうに
する事業に乗り出してる。
中島社長は兵庫県加古川市出身。
地元の男性と知り合って結婚。
2年前、娘が生まれて「この子のためにも
美山町を限界集落にはさせない」という使命感
をもつようになり会社を立ち上げた。
「地元経済が活性化すれば、多くの子供が放課後
日が暮れるまで校庭で遊べるようになるし、子供
が生まれるのが当たり前のことになる。
そのための一助になりたい」(中島社長)
過疎地で奮闘する女性とは対照的に、男性に関す
る元気なニュースはなかなか聞こえてこない。
孤独死の8割は男性という統計もある。
女性よりコミュニケーションが苦手なため、退職
により社会との接点が減り、一気に孤立してしま
うという分析が多い。
人口減による地域経済の負のスパイラルを断ち切
るには、都会以上に「女性活用が鍵を握る」と
言って間違いなさそうだ。
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PART3 「グローバル化」で限界を超える
広島県沖の大崎上島という限界集落で採れたカキ
島のカキを香港に輸出しているのが島内に本社を
置く、ファームスズキ:鈴木社長。
勤めていた商社を退職して島に移住。
35歳の時、地域は限界に差し掛かっていた。
高齢化率は60%を超え、生鮮食品の不足は
香川県の男木島と同様で、フェリーに乗っての
買い物は必須。
そんな中、放置された10万平米の塩田跡が鈴木社長
の目に留まった。
ここを使って日本初のクレールオイスター
(塩田熟成ガキ)を生産すればどうか、と直感した
広島県には、江田島や情島など伝統的なカキの産地
がいくらでもある。
ほとんど知名度のない大崎上島産のカキなど、仮に
完成しても競争力があるはずがない。
それが島民の共通に認識だった。
だが、県の研究所や大手カキ生産会社のアドバイス
を得ながら、カキの養殖に成功した鈴木社長は、
いきなり香港に輸出した。
水産商社に勤めていた鈴木社長は海外のカキ市場に
明るかった。
「海外では瀬戸内海のカキは『瀬戸内海産』として
くくられ、細かい産地の差は問われない。
むしろフランス産に似た大崎上島産は、大柄で
プリプリした日本のブランドガキより支持される
可能性があると考えた」(鈴木社長)
狙いは大当たりで輸出量は急伸。
17年は昨年の20%増の24万個を出荷する予定。
今後、クルマエビやアサリの養殖にも挑戦し、
塩田による養殖を島の一大産業に育てていく方針。
広島県内最大の離島で、何度も架橋計画が持ち上
がりながら実現することのなかった大崎上島。
海外どころか島の外とも無縁な人も少なくない。
そんな”忘れられた島”が「グローバル化」とい
う、島民自身が思いもよらぬ戦略で救われる確率
は日増しに高まっている。
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以上5つの「限界突破集落」の事例はどんな過疎地
でも、知恵と工夫次第で」共同生活を維持すること
が決して不可能でないことを示している。
地方を捨てる必要などない
「限界突破集落」
「技術」 バイオを活用したインフラ
ドローンや自動運転
「女性の力」
寿命の延びと地方再生の核
「グローバル化」
IT技術の革新で世界へ
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(ここから私見です)
確実に進むであろう、人口減少と過疎化の波。
果たしてどういう国土開発計画や新たな行政が
望まれるものか。
今のままでは、相当な大都市以外は、それぞれが
中途半端に人口減となり、総てに効率の悪い
都市、町、村になっていくのではないでしょうか。
想定外に移民が増えれば別ですが、それはそれで
新たな問題が発生します。
まさかまさかで出生率が飛躍的に上がる・・・
これは考え難い。
あくまでも仮説としての暴論を言えば、例えば
人口10万人以下の市町村は統廃合する。
単なる統合ではなく、しかるべき地区の住民は
しかるべき地区に強制移住してもらう。
これによって、インフラの充実をはじめとして
財政から大いなるムダが削減され、「国家予算」
を有効に使えるようになるかもしれません。
冒頭に記した某大企業会長の都市化の論理は
そういう意味と私は理解してます。
極めて非現実的な暴論でしょうけれども (汗)
中国あたりでは、そういうことが可能で実際に
やっているようにも思われます。
しかし、日本では無理でしょう。多分。
残るのはウチだ、アンタんとこがこっちに来い
で、大モメでしょうね。
こんなことやる政府は許さねぇ~~とか???
そうでなくても、結果的に極端な過疎地では、
高齢化で消滅していく町や村が続出するので
しょうが・・・
ただ、大都市、中都市、小都市。
そして、選ばれた超小型都市(町・村)に整備
統合する流れはあってもいいのではないか。
「技術」と「女性の力」と「グローバル化」で
『選ばれた超小型都市(町・村)』
というものもあっていいと私は思います。
もちろん、そこは何某かの付加価値を生み出す
あるいは、癒しの空間を備えている町や村。
そういう条件付きです。
机上の空論でしょうが、100年、否、50年かけて
実施しようとするビジョンがあれば実際にできる
のではないでしょうか。
バランスを欠いた判断でしょうか?
福島さんは日本各地の「限界集落」は
このまま無くなるしかない、あるいは無くしても
いいとお考えでしょうか。
僻地に少ない人間が住んでるだけの「村」に
存在意義があるでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福島さんの幸運な日々を祈念します。
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