2017年6月7日水曜日

【アモリ通信112:社長からのFAX】  20170607

福島清隆 さん


こんにちは。

参謀育成コンサルタントの福島清隆です。



本日のテーマは「 社長からのFAX 」です。

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 「日本電産 永守重信社長からのFAX42枚」


            川勝宣昭 著

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前回は「小山昇」氏に注目して、「経営計画書」
をテーマにしました


小山氏は中小企業の経営者で彼の信奉者なら、
まるで教祖(私見です)のような強烈な個性の
持ち主に違いありません。


その小山氏を更に遥かに上回って、自身が創業
した企業を国際企業にまで成長させ、今まだ
意気軒高な人物が永守重信氏です。


1973年(S48)に従業員4名で創業し、現在の
企業規模は以下の通りです。
(4人の若者が、農家の一軒家を借りて会社を
始めたそうです)

 売上 単独(約2300億円)連結(約1.2兆円)
 経常利益
    単独(約200億円) 連結(約1200億円)
 従業員数
    単独(約2300人) 連結(98000人)


ユニクロの栁井社長とともに永守氏はソフトバンク
の社外取締役にも就いておられますが、こういう
桁違いの人たちはいったい何が違うのでしょう?


ネットで情報を集めて、コピペすれば直ぐに膨大な
情報量になります。


永守重信 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E5%AE%88%E9%87%8D%E4%BF%A1

日本電産  企業理念http://www.nidec.com/ja-JP/corporate/about/philosophy/



永守氏の経歴や日本電産の社是、三つの経営基本
理念、三大精神は割愛して、TOPPOINT2月号から
「川勝宣昭」氏のサマリーをご紹介します。


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  【日本電産 永守重信社長からのFAX42枚】


● 「意識改革を徹底せよ。それが企業カルチャー
  になるまで」

  日本電産は、これまで50社以上のM&Aを行い、
  全て1年以内に黒字会社にした。再建する際、
  同社は資産や人員のリストラではなく、徹底
  した従業員の「意識改革」を行う


● 「当たり前のことを、当たり前にやれる会社
  にせよ」

  こういう会社をつくるには、経営者が日常の
  管理を担当部署任せにしないことが重要だ。
  また、意識改革も重要。

  日常管理を社員の共有の価値観にしないと、
  すぐ後戻りする。


● 「時間は万人に平等に与えられている条件。
  これをどう使うかで、勝負が決まる」

  日本電産は業界の常識を超えるスピードで、
  試作や改良を行うことで、有力メーカーに
  打ち勝ってきた。


● 「1番以外は、皆ビリや」「すぐやる、
   必ずやる、出来るまでやる」

  「1番以外は・・・」は、業界トップ企業を
  目指すこと。「すぐやる」はスピード。「必ず
  やる、出来るまでやる」は物事を徹底すること

  これは、トップが不退転の決意で中間管理職と
  改革を行い、新しい経営手法を導入することで
  定着する。


● 「脇は甘くないか。経営は結果だということを
  忘れるな」

  日本電産では、結果を事前に予測し、計画通り
  の結果がでるように手を打つのが経営者の役目
  だ。

  担当部門が目標を達成できない場合は、経営者
  自ら、目標達成のために動く。


● 「市場価格は神の声」

  世間一般の会社は、市場価格を参考値として見
  て、コストに見合う利益を求める。

  だが日本電産は、市場価格を神の声として、
  それに合わせるために徹底的な努力を行う。


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著者の川勝氏は、日本電産からグループ会社に派遣
された7年間で、毎日のように永守社長からFAXが
送られ、「永守語録」を溜め込んだようです。


意識改革を経営者自らが先頭に立って行うと、1年
を待たずして、組織に”化学変化”が起こる、との
こと。

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意識改革は、組織の最小単位の個人が変わらないと
組織も変わらない。そこで、個人の3つの要素、
「価値観・思考様式・行動様式」を変える。


永守社長が休日を全部あてて社員研修を行うのは、
経営者による価値観の「刷り込み」をするため。


加えて、赤字を黒字にするための優れた経営手法
を注入する。

さらに、再建指揮官のリーダーシップを重視する。


「リーダーシップ+意識改革+経営手法」
これが優れた会社をつくるための必要な要素で
ある。

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「当たり前のことを、当たり前にやれる会社に
 せよ」 ---> 日常管理力の強化こそ、
 経営者の仕事である。



「時間は万人に平等に与えらている条件・・・」

大手の同業他社と競争して1つでも勝てるもの
はないかと考えた時、「時間」であった。


大手企業に日参して、通常1ヶ月かかりそうなもの
を1週間で届けて、その都度、改良する。

常連の大手メーカーが1ヶ月後に試作品を持ち込む
時、

「日本電産というところと話がどんどん進ん
じゃって、うちの設計自体ももうだいぶ変わって
きてるんですよ。だから今回は申し訳ないけど、
日本電産のモーターでいきますよ」

という展開になる。

こうして、弱小企業が、スピードだけで名だたる
有力ライバルたちに打ち勝つのである。

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「永守語録」には他に、次のようなものがある。

・黒字化・再建は、1年以内に達成せよ
・見積もりは24時間以内に出させよ
・明日から伝票を見よ
・困難は解決策を連れてやってくる
・訪問件数を月100件にせよ

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昨今のメディアでは「時短」や「残業ゼロ」に
関する情報が度々、発信されます。

残業を減らそう、休日を増やそう・・・・・

日本電産も、勤務時間を減少させる方針を正式に
示されています。

 変わる巨人  日本電産
「100年企業へ残業ゼロ」
   (日経産業新聞:4月11日)

要は、「零細企業は人の倍働かなければならないが
1兆円企業には1兆円企業なりの働き方がある」

「ムダの徹底排除」ばかりでなく
「業務の抜本改革」。

「業績を落とさない限り、残業ゼロのためには
不退転の決意で何でもやる」

「100年続く海外の名門企業を買収して分かっ
たのは、人や技術を大切にしてきたこと」



ここで注意しなければならないことは、残業ゼロ
や時短が、必ずしも「ゆとり」を推進している
ということではないということです。

余った時間で、しっかり勉強しろと・・・



そうは言うものの、相変わらず少し拗ねた・・
私流の解釈ですが・・・・・(苦笑)


会社にいる時間が短くなっても、デキル経営者
や幹部なら、会社外でも勤務時間外でも、頭の中
では仕事のことを考えているのではないでしょう
か。(もちろん、総ての時間をとは言いません)


またそういう立場の人でなくても、残業ゼロや
時短は、「定型業務」に携わる人に当てはまる話
であり、「非定型業務」の人にはどうでしょう?

(モバイルPC他、インターネットをどこでも
見れる時代ですから、職種によっては、会社に
いなくても仕事ができる時代です)


例えば、サービス業の現場での話にしても、
私の知人は、某百貨店に勤務してますが
組織としての時短の指導を潜り抜け、内緒で
長時間労働をしているという実態はあります。


最近話題の、宅配大手Y社のドライバーや他の
業務の社員に「残業ゼロ」、「時短」とか言っ
ても、「何の話?」「どこの世界の話」となる
のでは?


仕事も、スポーツも、お稽古事も、勉強も、
(もちろん努力の質を問われますが)
「量稽古:投入時間」をないがしろにして、
「上達」、「成果」、「競争に勝つ」ということ
は厳しいでしょう。


小さな企業が大きく成長するには、
「情熱」、「努力の内容」、「投入時間」
そして「スピード」でしょうか。

さらに言うと「運」もあるでしょう。
これを言い出すと、少し違う話になるかも
しれません。 (苦笑)


もっとも、今回のテーマは、既に国際企業に
なった企業が更に成長・発展するために・・・
ということですから、
   「アナタはまだ、分かってないね」
とお叱りを受けるのかもしれません。


前回の小山昇氏の「経営心得」には

「すぐやる」「すぐ変更する」「すぐやめる」
は我が社のポリシー。

といったものがあります。

これはこれで、実績のある方の言葉ですから
ハハッ~~ッと、頭が下がるのみです(笑)


グローバル企業の経営者と中小・中堅企業の
経営者を一緒にするな、とここでもお叱りを
受けるのでしょうか (汗;;;)


規模の大小を問わず、「本質は同じ」という
のが私の持論ではあります(^^♪

「大きな企業にいれば、自動的に優秀になる」
なんてことは100%ありえません。

むしろ、「乗った船が大きいと」無意識に自分
を過大評価してしまうところに大きなトラップ
があると考えるべきかと私は思います。


いずれにせよ、実績を上げる経営者、否、
経営者に限らず、「人材」は例外なく個性的で
あり、信念と実行力を備えている人達ではない
でしょうか。


実際問題として、社長から手書きのfaxが度々
自分宛てに届いたら・・・・大抵の人間なら

「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」
で、気合が入るのは間違いないでしょう(^^♪


これもまた「残業ゼロ」や「時短」とは違う話
になりそうです (笑)


私は「残業ゼロ」や「時短」に決して反対して
いる訳ではありません・・・念の為  (笑)




福島さんは「永守重信」という経営者
をご存知だったでしょうか。


この人の経営スタイルについて、どのように
思われるでしょうか。




ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。




最後まで読んでいただきありがとうございます。




福島さんの幸運な日々を祈念します。



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