2017年6月14日水曜日

【アモリ通信113:田中角栄】   20170614

福島清隆さん


こんにちは。

参謀育成コンサルタントの福島清隆です。


本日のテーマは「 田中角栄 」です

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人を動かす天才

田中角栄の人間力

後藤謙次 監修

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数ある「田中角栄」本の中で、たまたま手にした
文庫本。


「後藤謙次 監修」と知って、ちょっとこの人は
・・・と思いましたが、それとこれは別問題。


「アモリ通信」では政治と宗教は原則として話題
にしませんが、今回は「田中角栄」という人物
そのものについて考えてみます。


昨今、何故、「田中角栄ブーム」なのかというと
やはり今の政治家に対する、不信感、物足りなさ、
もっと言うと失望のようなものがあるのではない
でしょうか。


「金脈」で世間を騒がせた「田中角栄」ですが、
政治家も経営者も、大きな事をなす人に欠かせ
ないもの。

それは「強い個性」ではないかと常々、私は考え
ています。

(もちろん、それだけで充分とは申しません)

今更「田中角栄」じゃないよ。時代が違うよ。
というご意見もあろうかと思います。

好き嫌いがありますから評価も様々だと思います。

しかし、今の時代に田中角栄くらいの力量の政治家
がいたら・・・と、ついつい妄想してみたくもなり
ます。

「トランプ」 vs 「田中角栄」
どんな会話になるんだろう??? (苦笑)


本書で、「田中角栄」の「強い個性」のいくつかを
ご紹介します。

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① 昭和46年、日米間には、沖縄返還と貿易摩擦
という2つの難題があった。

大平正芳、宮沢喜一両通産大臣がこの問題を
解決できない中、田中角栄が通産大臣に就任
した。

角栄は、
「対米輸出を規制する。その結果、繊維業界
がこうむる『得るべかりし利益』を、政府が
補償する」という前代未聞のプランを考えた。

このために、通産省の年間予算を上回る
2000億円もの巨額の補正予算が必要だった。

2年半の話し合いが暗礁に乗り上げていた
繊維交渉は、角栄が通産大臣に就任してから
3ヶ月足らずで決着した。

「糸(繊維)を売って、縄(沖縄)を買った」
と揶揄する向きもあったが、角栄は通産省
のみならず霞が関の官僚たちから、絶大な
信頼を得た。

官僚の発想とは全く違う手法だったから。

「政治が決断すれば、行政はついていく。
その見事な事例だった」

と、通産大臣秘書官だった小長啓一は感嘆
した。

彼は「オレに任せておけ」と言って、予算
ゼロから2000億円を引き出した角栄のリー
ダーシップに、ただならぬものを感じたと
いう。




② 選挙演説で好んだネタ。

「政治家には、3種類のタイプがいるんです。
川の上流と下流で、両方の選挙民が橋を架けて
ほしいと陳情している。さあ、どうします?

ある政治家は、上流では『ここに橋を架ける』
と言い、下流でも同じことを言い続け、結局
なにもしない。

いまひとりの政治家は、正直に双方の陳情を
聞き、悩んだあげく、急がねばならないほうに
橋を架ける。

で、選挙をすると、どっちにも橋を架けないで
何もしない政治家が当選する。

橋を架けたほうは、片方の選挙民には喜ばれる
が、もう片方からは総スカンだな。

で、仕事をする政治家がいなくなる。

3番目の政治家はどうするか。

田中角栄は、まず片方に大急ぎで橋を架ける。
だが、約束した以上は、もう一方にも必ず橋
を架ける。

最初は片方に嫌われますがねえ。彼らもちゃん
と知っている。田中角栄は約束を守る男だとね

とにかく汗をかけるだけ汗をかく。
言ったことは必ず実行する。
それが田中角栄です」




③ 大蔵大臣に就任して間もないころ、政治評論家
の藤原弘達が書き残した内容。

「角さん、大蔵省というところは、一高、東大
大蔵省人脈といってね、大体頭のいい奴が集ま
るところなんだ。

そういうところに、あんたみたいな馬喰のせが
れで、尋常小学校出が大臣になって、上から
抑えようったって、到底まともに言うことは
聞かんぜ。どうやってやるつもりかね」


角栄はニヤッと笑って、平然と答えた。


「役人という奴は、要するに、エライ地位に
つきたい動物なんだ。自分のことを考えんで、
日本全体のことを考えている奴なんて、本省の
課長までさ。部長から局長、次官になるにつれ
て、大臣から何か言われて、それに反対するの
は出てこれないね。

だから、ちょっとお小遣いをやるとか、ちょっ
と出世させてやる。いいとこ連れて行ってやる

選挙に出たいといったら世話してやる。

そんな具合に、面倒みて大事にしてやれば、
ちゃんと従うもんさ。

角栄流の人間操縦術というのは、大蔵大臣に
なっても、同じだよ」

”大蔵官僚の環視の中で、そのようなことを
平然と言うものだから、さすがの私もいささ
か驚いてしまった・・・・・”




④ 田中派の若手議員が女性問題を起こし、どう
してもその日のうちに100万円の現金が必要
になった。

万策尽きたその議員は角栄に電話し、借金を
申し込んだ。

角栄は「わかった」、「カネはすぐ届けさせ
る」と応じた。

30分もすると田中事務所の秘書が角栄の手書
きのメモの入った300万円の紙袋を持って
やって来た。

「1.まず100万でケリをつけろ。

2.次の100万で、お前の不始末で迷惑を
かけた周りの人たちに、うまいものを
食わせてやれ

3.最後の100万は万一の場合に備えて
とっておけ。返済は無用」

涙したこの議員は、のちに金丸信・竹下登が
「創政会」を旗揚げしたとき、誘われても決
して動こうとしなかったという。




⑤ 田中角栄は、総理大臣として成し遂げた日中
国交回復の秘話や意義をしばしば振り返って
語った。


昭和47年に大平外相、二階堂官房長官ととも
に訪中。

周恩来首相と4回の首脳会談を行ったのち、
毛沢東主席とも会食。国交正常化の署名に
こぎつけた。

周恩来首相との会談ではかなりつっこんだ
会話も交わされた。


「周恩来は、『日本は絶対に再軍備しないか』
とわしに聞いた。

わしは『しない』と答えた。
『保証はあるか』と聞くから『ある』と
言った。

『再軍備するには増税が必要だ。そうすれ
ば、政治家は選挙に落ちる。サルは木から
落ちてもサルだが、政治家は選挙に落ちれ
ただの人だ』と言ってやった。

周首相は『よくわかった』と言ったんだ。

大平は『お前さん度胸があるなあ』と
うなったよ」



それ以上の豪胆ぶりを窺わせるやり取り
もあった。



周「日本は非核三原則を掲げているが、
本当にいつまでも核武装しないのか」

角栄「本当だ。しかし日本に核武装させる
には、いい手がひとつある。

中国が、沖縄に向けて核ミサイルをぶっ
放すと威嚇すればいい。そうすれば日本
は、その翌日にでも核を作ってみせる」

実務的な話が終わったあとの会話だったが、
百戦錬磨の周恩来も、これには黙ってしまった
という。




まだまだ、アモリ通信の記録に残しておきたい
田中角栄の逸話は沢山ありますが、これくらい
にしておきます。


時代が違うかどうかともかく、現代であれば、
トランプ大統領、習近平国家主席、プーチン
大統領他、世界の強者と堂々と渡り合える
日本の政治家がいるのでしょうか。


安部首相の悪口を言う気はありませんが、田中角栄
に比べれば「役者が違う」・・・・

お叱りを受ける一言でしょうか?



冒頭でも記した通り、経営者に限らず、政治家に
とっても一番大切なものは何か?

ふと、そんなテーマが浮かんだ時、私は
「個性の強さ」
ではないかと考えることが少なくありません。


もちろん、それも状況や本人の能力、考え方に
よって齎す結果は様々でしょうが、難局を切り開く
のは、エリートよりも、海千山千の個性派のような
気がします。


最近は、アメリカの大統領はヒラリーがなるより
トランプになってかえってよかったのではないかと
個人的に感じてます。


もし仮に、トランプ大統領が任期を全うできない
ような状況になっても、それは「変化の途中経過」
として、ヒラリーより好ましかった、と私は考える
でしょう。




福島さんは田中角栄が今の時代に生きて
いれば、あるいは彼のような政治家がいたら、
現在の日本の政治の現状は、今とは異なった
ものになっていると思われるでしょうか?

(最後は政治的質問になってしまいました・・・)






ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

福島さんの幸運な日々を祈念します。


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