2017年2月22日水曜日

【アモリ通信097:謝罪の流儀 2016 】  20170222

福島清隆 さん


こんにちは。

参謀育成コンサルタントの福島清隆です。



本日のテーマは「 謝罪の流儀 2016 」です。


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悪い評判が広がるスピードが飛躍的に高まって
いる

不誠実な対応、初動ミスの企業は一夜にして
社会の敵

一歩間違えれば、社員ですら「自浄能力」がない
と見切って離反する。


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今回は2016年12月12日号の日経ビジネスの特集
    「謝罪の流儀 2016」
からまとめます。

P24からP43まで20Pもありますので、超要旨しか
記せませんが、できるだけポイントを抽出します。


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謝罪カレンダー 2016


1月 イーエスピー
長野軽井沢でスキー客を乗せたバスの転落事故

2月  北海道旅客鉄道
列車脱線事故で検査データを改ざんして国に報告

3月 読売巨人軍
選手による野球賭博問題で首脳陣が交代

4月 三菱自動車
燃費を実際より良く見せていた不正の発覚

5月 スズキ
三菱自動車の関連で燃費での不正が発覚

6月 JTB
サーバーへの不正アクセスで個人情報の流失

7月 東亜建設工業
地盤改良工事の施工不良や虚偽の報告が発覚

8月 東京電力ホールディングス
福島第一原子力発電所に関して新潟県知事に謝罪

9月 電通
広告で過剰請求、虚偽報告。長時間残業問題も発覚

10月 東京都
築地市場移転問題で土壌汚染対策の不適切を謝罪

11月  大成建設
福岡市の道路陥没問題で共同企業体の社長が謝罪

12月 資生堂
通販サイトの不正アクセスで個人情報流失が発覚

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各社・各組織の責任者が謝罪している写真を
私の仕事用のHPに保存してしておきました。

よくもまぁ~、毎月こういう事件・事象が起こる
ものです。

https://1lejend.com/c/RNdR/46l6/GQtRo/


少し話がそれますが、このような写真の公開は
厳密にいうと「違法」に当たるように思われます。

しかし、毎週何万部も発行されているであろう
雑誌からの複写で問題になることはリスクマネジ
メント上、ナイと判断します。

それよりも、本記事の中で、企業・組織・個人を
名指しで露骨に批判している記事が問題にならずに
済むのか、そちらの方が個人的には少し不思議です

公になった事件ですから、メディアでの公での厳し
い指摘は許されるということなのでしょうか?


それはさておき、日経ビジネスの記事だから、基本
大企業の話ということでは決してありません。


中小零細企業でも、こういう現実を素直に把握して
自分の環境に落とし込んで、対策を練ることが大切
です。

企業経営(組織運営) = リスクマネジメント
の感覚が、経営者から社員総てに根付いてほしい
というのが私の願いです。


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Part1

危機を乗り越えた「迅速」「分かりやすさ」

福岡市陥没事故の舞台裏

(本件では福岡市の高島市長を頂点とする対応の
早さ復旧の早さが世界的にも高く評価されました)


『情報発信の重要性を知るトップの意識が市役所
全体に浸透していたからこそ、市民や社会に安心感
を与えることができた。

それは結果として、混乱やそれに伴う不必要な非難
を回避するという、危機管理につながる。』


『』内は、まさにこれが全てという一文です。

元アナウンサーの高島市長は日頃から、ブログ、
フェイスブック、ツイッターを駆使されている方
とのこと。

そういう感性の人物が組織のトップに君臨して
「迅速」に「分かりやすく」対応したことのお手本
になるような実績を残せたのではないでしょうか。


しかしながら・・・・・


以下は、反省を促す事例の数々です。

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1.人ごとではない「気が付けば大炎上」P28~

「80過ぎの独居老人である父が、PCデポに毎月
1万5千円の高額サポート契約を結ばれてました。

解約に行ったら契約解除料10万円を支払わされま
した。」

これをツイッターで発言して大炎上。

「老人だましてエエ商売ですな」
「悪徳業者も真っ青の悪徳っぷりっ」

同社の株価は約1200円から約600円に暴落。

当初、社長ではなく管理本部長がかたちだけの
おわびを自社のHPで公表してすぐに削除。

メディア対応の専門部署を置かず、危機管理の
意識が欠如していたことを、同社社長は時既に
遅いタイミングで自覚。



2.明暗分けた個人の「謝罪力」   P31~

「トップが二流のビジネスホテルに泊まりますか」
「公用車は動く知事室」

目の前の記者を論破しても、世間の反感を買えば
失敗。


思い上がりと世論の反発で知事職を追われたM氏。

熱意や能力が優れていても「考え方」を間違って
いる人材は使えない模範例と私は思います。


一方


「何ら国民に恥じるようなことをしていなくても
私の監視下にある事務所が招いた国民の政治不信
を、秘書のせいに責任転嫁できない。

それは政治家としての美学、生きざまに反する」


この後、大臣を辞任。
その後、検察はA氏と秘書を不起訴処分とし、A氏
は政治活動を再開。


世論の反発で政治生命を失ったM氏とは大きな
違いです。  (私見です)




3.社員が見限る口だけ謝罪   P34~

(広告大手)D社の内なる炎上。

社員の自殺が労災認定され、母親が記者会見。


「経営陣を見ていてもこの会社が良い方向に向かう
とはとても思えない」

「社長のメッセージからは〇〇さんがなくなった
おわびや反省が感じられなかった」

タイミングを見ても、社会からの批判が高まって
いることを気にして形だけの対策を打っただけだ」

「捜索が入って急に騒ぎ出すのは悲しいこと。
自浄能力のない会社だ」

「結局はその場限りのポーズなのでしょう。
広報戦略を企業に助言している会社がこの体たらく
とは・・・本当に情けない」


これが日本で超一流といわれる広告会社の実態か
と思うと、確かに愕然とします (私見です)



その後、同社社長は2017年1月に辞任する旨の
報道がありました

D社のような企業がメディアで袋叩きに合うことに
やるせない皮肉を私は感じます。



4.明暗分かれた2人のオサム  P42~

大手自動車会社の会長2名の対応の違い。

「悪意で燃費をよくしようと手を抜いたというな
ら問題だが、善意でやったのなら、人間的に考え
なくちゃいかんだろうと思っている」


「謝罪会見でないのか」という記者の質問に、
「ルールに従わなかった結果について企業として
おわびをしています」と切り返した。

S社のオサム会長が「首尾一貫していたのは、不正
があったとしても悪意はなかったと現場を信じる
姿勢だった」とのこと。


一方


「執行部門のトップである社長に委ねていた」

(こちらのオサム会長は表に出てこないことに
疑問の声が上がっていた)

「M社の首脳陣は、組織風土を変えられなかった
ことについて経営責任を認める発言をしたものの、
根本的な原因は開発部門の風土や順法意識にある
といった発言を繰り返した。

経営者が目線を下げ、現場と一体となって変えて
いく姿勢を見せなければ、自浄作用は機能しない」



M社はその後、日産の傘下に入りゴーンさんが
会長に就任されました。


今度こそは復活できるのではないかと私は思う
のですが、どうでしょう。


但し、S社にしてもトヨタと提携することになり
ました。

いずれにせよ業界の競争は厳しいものです。




あまり長くなり過ぎてもいけませんので、これ
くらいにしておきます。


シンプルに結論を言うと、福岡市の事例にある
ように、何か事が起こったら・・・・

 「迅速」かつ「分かりやすく」、「謙虚に」
トップ自らが公の場で説明する。

これに尽きるのではないでしょうか。


企業規模の大小には全く関係なしに、
組織のトップにいる人間に共通して当てはまる
原理原則だと私は思います


改めて申し上げますが、そういう意味において、
中小零細企業の経営者も

「企業経営 = リスクマネジメント」

という認識を会社全体に浸透させる活動を
具体的に進めていただきたいと私は切に願って
ます。



今回のメルマガはこれを読むだけでも
結構、値打ちがあるのではないでしょうか。


こういうことを理解する感性・価値観を持つことは
決して無駄なことではないと私は確信します。





福島さんは、自社が想定外の事故なり
不祥事に見舞われたとき、

「迅速に」、「分かりやすく」、「謙虚に」、
「自らが公の場で説明する」。

そういう覚悟ができておられるでしょうか。




ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

福島さんの幸運な日々を祈念します。





(追記)

本テーマの記事20ページ(日経ビジネス12.12)
を直接、読んでみたい方の為に私の仕事用のHP
にスキャンしてpdfで登録しておきました。

https://1lejend.com/c/RNde/46l6/GQtRo/

但し、このページを開くには「ユーザー名」と
「パスワード」が必要です。

ファイルサイズは約10MBです。


このメルマガの返信で「謝罪の流儀原版希望」
と返信していただければ、「ユーザー名」と
「パスワード」を記したメールを再返信させて
いただきます。

(原版は赤のボールペンで線引き等されてある
ページがかなりあることをご容赦願います)



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SILマネジメントサポート 代表  福島清隆
・オフィシャルサイト:https://1lejend.com/c/RNdT/46l6/GQtRo/
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